日本の伝統行事や年末年始などは、雰囲気いい和室でしっとりと過ごしたいもの。それなら、 お正月に向けて、和室をおしゃれで居心地のいい空間に変えてみませんか？　住まい全体を洋風にまとめている家なら、和モダンスタイルがおすすめ。純和風のスタイルよりも統一感が出て、スタイリッシュに決まります。家族で集まって、落ち着いた時間を過ごせる和モダン空間の整え方をご紹介します。

和モダン空間を作ろう

一般的に、和室は客間として使用することを前提に、家の中の条件がよい場所に配置されています。その居心地のよさを上手に生かして、和室をおしゃれな和モダン空間に整えてみましょう。和室を設けていない場合には、リビングの一角に置き畳を敷いて、和室コーナーを作ってみるのもいいですね。

和モダンスタイルとは？

「和モダン」とは、畳、障子や襖（ふすま）などを用いた和の空間に、欧米風のモダンなデザインを融合させたスタイル。意外かもしれませんが、直線的でシンプルな和の空間は、モダンデザインと相性がよいのです。

畳の色とインテリアの色を足し引きしよう

和室といえば、畳。面積の広い畳は、和室全体のイメージを左右します。また、和室全体としては、濃い色の配分が多くなるほど、和テイストが強まります。和室をおしゃれな和モダン空間にするには、畳の色を考えながら、全体の色バランスを整えることが大切です。

畳の色がベージュ系や明るい色なら、インテリアに渋めのカラーをプラスして、すこし引き締めましょう。例えば、座布団の色を、漆黒色（＝真っ黒）、観世茶色（＝こげちゃ）、貝紫色（＝深い紫）といった和の伝統色から選ぶと、シックな雰囲気にまとまりますよ。

畳の色がグリーン系や濃い色の場合、和テイストが強すぎると民芸風になってしまいます。シャープなデザインの花器に華やかな花やグリーンをあしらって、重厚感を上手に和らげましょう。

目線は低めに、横の広がりを意識しよう

和室の天井は、天井板が貼られていることが多いでしょう。天井板があると、天井が壁面の色よりも濃くなり、下側に迫って見えるぶん、横方向に広がりを感じます。和室にいると落ち着くのは、そうした効果のおかげかもしれませんね。インテリアも横の広がりを意識して、選んでみましょう。

インテリアを低めの位置に

本来の和室の良さを生かすなら、家具は低めに配置しましょう。和室のテーブルの高さは、33～35cmあたりが使いやすいでしょう。さらに、テーブルの中央にペンダント照明を低めに吊るせば、全体の目線が低くなり、しっとりとした落ち着いた和モダン空間になりますよ。

照明は照度も位置も低めに

和室には、光のやわらかな照明が適しています。光源が直接見えない、まぶしさの少ないものを選びましょう。また、複雑なデザインよりも、シンプルな照明が似合います。まん丸の和紙照明、直線ラインを組み合わせた格子の照明、シンプルモダンな北欧テイストの照明など、シェードから透ける光の陰影が美しいものを選びましょう。頭が当たらない程度に低めの位置に吊り下げるのがおすすめです。

和モダンスタイルのインテリア選び

和モダンスタイルのインテリアには、素材かデザインのどちらかに和テイストを感じるアイテムを選ぶと、空間が引き立ちます。

和素材×モダンデザイン

木材、竹、和紙といった和の素材を取り入れるなら、自然素材の温かみとデザインのスタイリッシュさが両立したものを選びましょう。例えば、スライスした木で作られた北欧デザインの照明は、和モダン空間にもすんなりとなじみます。

最新素材×純和風デザイン

伝統的な和の家具は、あえて斬新な素材使いのものを選んでみましょう。例えば、大きな円形の木の天板に、スチールの脚を合わせたセンターテーブルをちゃぶ台代わりにしてみてはいかがでしょうか。また、座布団カバーをレザーにするなど、本来和室には使わないような斬新な素材を選ぶと、垢抜けた印象になります。

和モダン空間を楽しもう

伝統的な和の落ち着きとモダンデザインのおしゃれさ、その両方が感じられる和モダンな空間は、洋風住宅でも挑戦しやすいスタイルです。次のお正月は和モダンスタイルの和室に集まって、家族でゆっくりとおせち料理を楽しんでみませんか？