デザイナーズ家具の代表格、イームズチェアのように、インテリアの主役になるようなおしゃれなチェアには誰もが憧れるものです。でも、あまりの高価さから購入をあきらめている人も多いでしょう。そんな人におすすめなのが「ジェネリック家具」。手の届く価格で憧れのデザインのチェアをそろえることも夢ではありません。今回はジェネリック家具のチェアを主役にしてインテリアを楽しむ方法をご紹介します。
安くて高品質が魅力のジェネリック家具
通称「イームズ」と呼ばれるチャールズ&レイ・イームズが手がけた家具のように、意匠登録を行ったデザイナーズ家具の意匠権はデザイナーが持っているため、発表してから20年間は同じ形やデザインの製品を作って販売することができません。そのため、希少価値やブランド力が高く、価格も高騰してしまうという特徴があります。
逆にいうと、20年を過ぎた製品については意匠権の期限が切れているため、オリジナルをベースとした復刻や再生産が可能になるのです。こうした製品は「ジェネリック家具」や「リプロダクト製品」と呼ばれています。医薬品の世界にも「ジェネリック医薬品」と呼ばれ、新薬の特許期間が切れたあとに、品質を落とさずに同じ成分のものを安く提供するものがありますが、それと同じ考え方で、優れたデザイン、高品質な製品を消費者に安く提供できるというのがジェネリック家具のよさ。なかには今の時代のニーズやメーカーの考え方によって、さらに使いやすく改良されている製品もあります。
カラーで遊べるのはジェネリックならでは
正規のデザイナーズチェアなら一点豪華主義的に使う人がほとんどで、ダイニングのチェアをすべてイームズでそろえるようなことは一部のセレブだけに許された特権だといっても過言ではないかもしれません。なかにはせっかく買ってももったいなくて使わずに飾っておくという人も。その点、ジェネリック家具なら、気軽にカラーコーディネートを楽しむことができますね。
インテリアのアクセントになる差し色として
モノトーンや茶系のシックな部屋、コンクリートとスチールのマニッシュな部屋などに、ショッキングピンクやビタミンカラーなどのビビッドな色のチェアを一脚置いてみて。部屋の雰囲気がガラリと変わり、新鮮な動きが出るでしょう。
色違いのチェアをそろえてカラフルに
ダイニングのチェアが4脚あれば、同系色の濃淡でそろえたり、反対色を2脚ずつにしたり、まったく違う色を4脚選んで思いっきりカラフルにしたりと、さまざまな楽しみ方が。色の冒険ができるのも、ジェネリックだからこそ味わえる贅沢です。
デザインのイメージは意匠のままの存在感
ジェネリック家具を「レプリカ」や「コピー品」のように考える人もいるかもしれません。でももちろん、しっかりと法に基づいた製品分野。正規のメーカーがデザイナーへの敬意を忘れることなく復刻させたものです。安価に提供されているとはいえ、その存在感はオリジナル製品さながら。
「オーガニックチェア」は1940年にMoMAのコンペで椅子部門の1位に輝いたデザイン。世界大戦の勃発などを理由に、商品化が見送られた幻の名作です。また、「ワイヤーチェア」は1950年代初期にイームズが生み出した技術を、リーズナブルで軽量かつ丈夫に製品化したもの。どちらも部屋に置いておくだけで様になる別格の存在感です。
憧れのチェアを主役にインテリアを楽しむ
チェアを主役にインテリアを考えるのも趣き深いものです。ジェネリック家具だけでも十分ですし、1脚ずつデザイナーズチェアを買い足していくというのもやりがいがありますね。テーブルやクッションとの組み合わせによって雰囲気が変わるのも楽しみのひとつ。あなたもジェネリック家具を上手に生活の中に取り入れてみませんか?